「半神」

半神を観る。

イヤホンガイドの人の超人技に感心しつつ。
(だって役者は10人以上いるのに、女性1人?2人?で全てのセリフを喋り倒す)

マーメイドやガブリエルがどうみてもアジュンマにしか見えないのは狙いなのか、なんなのか、気になりつつ。

また野田さんの芝居を韓国語で観るのは、韓国語をある程度勉強してる私でも、否、勉強しているからこその違和感がありつつ。

彼女が螺旋階段を上って行く辺りから、ヤバい。

いやそのちょっと前の残った一人がこっちだったのか!という辺りからちょっと、いやかなり、胸がザワザワし始めていた。

そして、芝居が終わる時には完全に泣いていた。

初演は観ていた。
ただその時はこの野田さんのオリジナルストーリーが受け入れられなかった。

多分原作が好き過ぎて。

でもそのお陰様で初演の内容をほぼ完全に忘れていた。
観ながら思い出しところもあったけど。
霧笛も、ブラッドベリが好き過ぎて、当時は心に入って来なかった。

いや多分そういうことだけではなく。
私自身が、初演当時、有る意味まだ生まれてなかったのだろうと思う。

私が生まれたのは実はごく最近である。

それまで私は、いつになったら私の本当の人生が始まるのだろうか?とぼんやりしながら、オブラート越しに世界をみていた。

ぼんやりし過ぎていて、随分時間が経ってしまった。

生まれる前に観ていた初演の半神と、生まれたての私が今観る韓国語の半神。

誰からも愛されないこと、誰からも愛されること、微笑むこと、涙を流すこと、綺麗な空を見上げること、憎むこと、手を伸ばすこと、助けること、妬むこと、愛せないこと、愛せない自分を責めること、祈ること、呪うこと。

全てがこの世界なんだと感じている。

今目の前にはいなくなってしまったあの魂にも霧笛は届くのだろうか。

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